誰も知らない = Nobody Knows

最近YouTubeでこの映画を見ました。



b0026028_1114847.jpg






http://www.youtube.com/watch?v=tQ3EVwRjkug&feature=related


15の1  から 15の15 まで15の動画ファイルから成っています(YouTube上では)。



実話が基になっていますが、完全なノンフィクションではありません。


とても哀しく、悲しい、内容の映画でした。
秀作ですが、悲惨な現実を直視せねばならず、見ていて辛かったです。


母子家庭(母親1人、息子2人、娘2人)の5人家族が、引っ越して新たな住まいで新たな生活が始まります(実話では、1988年の事だそうです)。

Youが演じる母親は、身持ちが固い女性とは、対極を成す、男狂いのような女性です(然し、その明るくユーモラスな性格から憎めない)。
4人の子供達は、種違いの父と1人の同じ母から生まれています。

子供達は、認知されておらず、住民票も無いので、学校へも行っていない。
新居に越してきた当時は、母親も居て、それなりに人間の生活をしていました。

長男である福島明を演じるのが、主人公の 柳楽優弥(やぎらゆうや)です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E6%A5%BD%E5%84%AA%E5%BC%A5

 
彼は、この映画でカンヌ映画祭 「最優秀主演男優賞」 を受賞したそうです。
地球上で最年少の主演男優賞だったそうです。

映画を見ているとそれも頷けます。
演技が自然で違和感もありません。

明(柳樂優弥 = やぎらゆうや)は、小学生6年生の年頃ですが、学校へも行けず(本人は行きたいが行けない状況)弟や妹たちの面倒を見るだけで1日が終わり、自分の遊びは、全くありません。
それでも、食事もして、洗濯もして、夜は独学で勉強して、最低限の生活は成り立っていました。

それも母親が居る間だけでした。
母親は、又、男を作り子供達を捨てて男の家に行きます。
母親は、時々、現金書留でお金を送って来ます。

明は、母親が居なくても、出来るだけ工面しながら弟や妹達の面倒を見ながら生活を続けます。
然し、母親からの仕送りも滞りがちになり、家賃も払えず、電気、ガス、水道も止められます。

それでも明たちは、公園で水を汲んだり、知り合いのコンビニのお兄さんに賞味期限切れの食べ物をもらったりして生き長らえます。

母親が現金書留でお金を送ってくれた、その封筒に住所が書いてありました。
明は、104で母親の電話番号を調べ電話しました。
母親の声が電話にでましたが、
「もし、もし、山本です(子供達といた時は、福島だったのに)」

と聞いて明は、全てを察し何も言わずに電話を切りました。
幼い子供達が困っているのに、男狂いの母親の立場を考えて我慢したのです。

本当に苦しい状況になっても、明を初め兄弟たちは、悪い事もせずに必至に生きます。

明と長女の京子の直向(ひたむき)に生きる姿。
それを見ていると余りにも悲惨で、無力な子供達が哀れで辛くなります。



幼いと自暴自棄になると言う発想を学習していないのかも知れません。



==============================
この子供達の不幸の原因は、全て母親に帰結されます。
身近に居る男に直ぐ惚れる。
直ぐ股を開らく。
そして直ぐ子供を作る。

避妊の知識が無いのか、或いはやりたくなったら、後先考えないほどの好き者なのか・・?
恐らく後者だと思いますが、ふしだらで無責任である事は、間違いありません。

そんな男狂いの母親ですが、子供達にとっては唯一の母親です。
又、この映画で母親を演じているのがYouですが、実際の母親もYouのように明るく憎めなかったのだと思います。

母親が家に居る時、子供達と楽しそうに遊んでいる光景(ハイカラな言葉で言うとシーン)もあります。
そんな時、明少年も時々笑顔を見せます。

明少年の笑顔は、つかの間の喜びを表しています。
この映画を観客として見ている我々は、明少年の笑顔を見てほっとしますが、明少年は心の底からは笑えません。
この、ほんのひと時の母親との仕合せは、長続きせず、又、長い諦めと寂しさに置換されると察しています。
何度も何度も母親に味合わされて来て、身に沁み付いている。

そんな諦観が明少年の笑顔に表れているような気がしてなりません。

心から喜こんでは、いけない。
心から喜んだら、又、裏切られ、その絶望感は、大きくなる。
だから、喜びや楽しみは、泡沫(うたかた)として捉え、永続を期待してはいけない。
そんな心理機構が、明少年の笑顔に表れているように思えて成りません。


明少年とその弟妹達は、学習しています。
現実をあるがままに受け入れ、そしてその現実の範囲内で精一杯生きます。
誰を恨むでもなく、頼ったりもしません。


そんな明少年を演じている柳楽優弥(やぎらゆうや)ですが、とても演技しているとは思えません。
実写ではないかと疑ってしまうほどです。

それ故に、地球上最年少の最優秀主演男優賞なのだと思いますが、実際の明少年は、2010年現在37歳になっているはずです。
屹度、立派な大人になっていると思います。
[PR]
by kiwidream1997 | 2010-11-17 11:18 | 社会問題 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://kiwidream.exblog.jp/tb/14420633
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。