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■ 椿三十郎 ■

平成17年02月17日(木) 11:59pm (NZ time)

おばんです、みなさん。
今日のオークランドは、良き日でした。
結構涼しかったです。
最近秋の気配が色濃く、日没時間も段々と早くなってきました。
最近は、8時半になるともう日の残りはわずかです。
3月20日(3月の第3日曜日)から冬時間(標準時間)に戻ります。

又、円安 = ニュージーランドドル高になってきています。
今日の現金買いレートですと、NZ$1は、¥79を超えています。
米ドルも値下がりしていますが、日本円もかなり安い。
ニュージーランドドルは、高い。
留学生や旅行者にとって、今のニュージーランドは、厳しい時期です。
この辛い時期を乗り越えましょう!

最近、私は、数十年ぶりにPCで椿三十郎を見ました。
1962年製作の東宝映画です。
本当に何度見ても惚れ惚れとする良い映画です。
黒沢明の最高傑作は、紛れも無く椿三十郎だと思います。
羅生門ではなく、七人の侍ではなく、椿三十郎こそが黒沢明の最高傑作だと思います。
その筋書き(ハイカラな言葉で言うとストーリー)には、不自然な部分がありません。
見ている者が納得する流れに沿っています。
見ている人間が苦しくなるような違和感のある不自然な偶然に頼って
筋書きを強引に組み立てていません。
見ている人があぁ~ そうなのかと一つずつうなずいてしまいます。

諧謔(カイギャク = ハイカラな言葉で言うとユーモア)も充分です。
それで居て、
時々出てくる斬り合いの場面(ハイカラな言葉で言うとシーン)などは、
生々しい残酷さがあります。
この映画のラストシーンは、余りにも激しく生々しいです。
息を呑みこんでしまいます。
それは、見ている者を圧倒する迫力です。
登場人物は、基本的に全員、善人です。
悪役にも潔さ(いさぎよさ)と善意がみなぎっています。
それ故に、観客は、見ていて安心します。

敢えて不自然な部分を探そうとするならば、
武士が現代人の話し方をしている場面が多いと言う事。
それともう一つは、仲代達也が三船敏郎を最初から信用してしまって、
策を話してしまっている事。
でもこれにしても、見ていてそれ程、違和感がありません。
ですから、減点部分は、殆ど無いと言うか、むしろ、
点を加算すべき圧倒的な素晴らしい場面の連続です。
私が見るたびに感心する場面は、
三船敏郎が縛られているその太い縄を仲代達也が脇刺しで切るところです。
太さにして、恐らく2~3cmくらいある太い縄を仲代達也は、脇刺しで切ります。
あっ それは、下手にしたら、
刀の先が身体に突き刺さると不安になりますが、
そこはそうならないようにきちんと配慮しています。
このように細かい部分にも神経が行き届いています。
将に日本映画の最高傑作のひとつだと思います。
今週のお薦めです。
ビデオショップでもあると思いますので、あなたもご覧になっては如何ですか?
by kiwidream1997 | 2005-02-18 21:25 | 喜怒哀楽